黒髪公民館

邦ロックやディズニー映画の感想、気になったものを紹介するブログです。熊本の大学生です。

【感想】「プーと大人になった僕」、道徳の授業を受けている気分になります。

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2018年、一番の話題作といってもいいんじゃないかなぁという映画、「プーと大人になった僕」。

 

話題のなり様は種々あります。主演男優・女優がすごかったり、脚本がすごかったり、売り上げだったり、主題歌だったり。

 

プーと大人になった僕に関して言えば、完全な色物路線の話題性。周りの友人に「今度、プーさんの映画見に行くんだ!」っていえば、十中八九、「は?プーさんの映画なんてあるの?しかも実写化?」。残り一割とちょっとは「『クマのプーさん』(英: Winnie-the-Pooh)は、1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説である。クマのぬいぐるみである「プー」と、森の仲間たちとの日常を10のエピソードによって描いている。1928年には同様の構成をもつ続編『プー」と返ってきます。ここは秋葉原か? 

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予告映像ではプーさんの声がおっさん過ぎてひいちゃってしまいましたが、話自体はプーさんが現実世界とおとぎ話の世界を行ったり来たりする冒険ストーリーなのかなぁなんて思っていました。

 

中身は含蓄ありまくりな道徳の教科書でした。

評価は5点です。

・プーと大人になった僕のあらすじ

 クリストファー・ロビンは、大人になり愛する妻と娘とロンドンで暮らし、忙しい毎日をおくっていた。 ある日、仕事のことで頭を悩ませていたクリストファー・ロビンの前に現れたのは、かつての大親友のプーだった! 大人になったクリストファー・ロビンとプーさんの奇跡の再会と、そこからはじまる新たな感動の物語。

プーと大人になった僕 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks

物語は、ロビンの少年時代から始まります。

 

プーさんたちがロビンのお別れ会を開いています。ロビンは実家から離れた学校に、寮生として行くのでもう100エーカーの森には訪れない。そんなことを言っています。

 

こんな結構寂し気な冒頭からはじまり、3分刻みくらいでロビンが成長していきます。どの時代も、ロビンが疲弊しきっているのが印象的。そして、何章か目(確か6章?)から本編が始まります。

 

カバン会社に勤めるロビンは、大切な家族のために働き詰め。娘や妻と終日遊ぶ時間なんかなく、家庭環境はボロボロ。今辛いのは、将来の幸せのためだと自分と家族に言い聞かせ働きまくります。そんなの分かってもらえるはずもなく、家庭間の溝は深まるばかり。

 

そんなときにプーと出会い、大人になったロビンがちょっと変わっていくストーリーです。

プーと大人になった僕 - Wikipedia

 

 プーと大人になった僕 感想

大切なもののために、今の大切なものを捨てているかもしれない

クリストファーは家族が大好き。家族のために毎晩遅くまで仕事をしているし、休日も働いている。今必死に働けば将来家族が幸せになるに決まってる!子供を親元から離れた学校に通わせるのも、ゆくゆくは子供のためになるから。

 

全ては家族のために取っている行動ですが、裏目裏目に出てしまいます。何度も娘との約束を裏切り、妻と娘に距離を取られ、別居状態にまでなってしまいます。

 

大切な人や物事を本当に思うと、「今は我慢の時」なんてことを思うのはよくあること。僕も、彼女との将来のために家に引きこもって資格試験の勉強をしてたら、そっぽを向かれた経験があります。

 

20代の僕でさえ思うのですから、家庭を持った人には思い当たる節がいくつもあるでしょう。

 

過去や未来を深く考えず、今現在を楽しむ。大切にすること。それが大事。なんて道徳的な……

夢はタダではないんだ、何もしなければ何も始まらないんだよ

現実的な会社の人 VS 楽観的なプーさん 的な座組で話が進み、プーさんの言葉ばかりに気を取られてしまいがちですが、やっぱり社会を生きてるビジネスマンの言葉のほうが響きます。

 

とくに響いたのがこれ。「夢はタダではないんだ、何もしなければ何も始まらないんだよ。」

 

クリストファーのいる部署が赤字で、このままでは何人もの部下がリストラされてしまう!碌な解決策は浮かばないが、絶対にリストラはさせたくない。なんならカバン部をもっともっと大きくさせたい!……でも、明日は娘たちと旅行に行くから休日出勤なんてできません(*^^*)

 

な、状況で、上司からはせられた言葉。何もないところからは何も生まれないから何かを犠牲にしなければいけない。

 

「ブラック企業」「パワハラ」なんて言葉が横行する現代社会ではなかなか納得してもらえないかもしれませんが、僕は仕事のために何かを犠牲にするのは当たり前だと思っているので変に納得。

 

もちろん、人に押し付けるべきではないのは分かりますが、責任感が強い人ほど押し付けがち。

 

何もないところからは何も生まれないっていうのは、超名言だと思います。

道徳的匂いが強い作品。子供向けではないかなぁ。

何はともあれ、プーと大人になった僕は道徳の教科書のような話。最終的には人をだます人が恥をかいて損をするっていう内容ですし。

 

いろいろ考えさせられるわけでも、笑えたり泣けたりするわけでもないです。

 

はっきりいって、ぬいぐるみプーさんの可愛さと、名言を楽しむ映画だと思うので、そういう気分のときに見ればよいと思います。