エイ革は大人の魅力。手入れ不要で美しい姿のまま使えます。
「サイフといえば牛革!」
そう考える方は多いと思います。僕もこれまで使っていた財布はイルビゾンテ。最も革本来の楽しみができるヌメ革です。
レザーは本当にかっこいい。
シンプルなデザインに、使えば使うほどなじむ素材。光沢やくた感を育てていく感覚は、一つのものを長く使い変化していく姿を知った大人のカッコ良さがありますね。
変化していくことこそがレザーの楽しみ方の一つですが、ずっと変化しない革があるのをご存知ですか?
少し変わった魅力のあるエイ革について書いていこうと思います。
エイ革ってなに?エイ革は海の宝石
エイ革とはその名の通り、海の生物エイの革。ガルーシャとも呼ばれています。
ガルーシャ(Galuchat)とはフランス語で「エイの革(stingray)」や「サメの革(shark)」など表面があらくごつごつした皮革を意味します。英語ではこの種の皮革を「Shagreen」と呼んでいます。ヨーロッパでは古くから製本の装丁部分や刀剣の柄部分に、また中国では清朝時代に弓の一部に使われていたそうです。日本でもその特徴を生かして太刀、刀、脇差しなどの柄の部分に多く利用されてきました。東西を問わず、その希少性と耐久性が重用されてきました。またいつの時代も希少素材であるガルーシャは高級品として扱われ、 クラフトマンやアーティスト達が作り上げた 作品の数々はオリジナリティー溢れる芸術品とも言えるアイテムばかりです。
エイの表面のうすい皮をはがたものがエイ革と呼ばれています。
エイはぬめぬめしているイメージがありますが、表皮をはぐとごつごつとしており、ぬめぬめ感は一切ありません。
人間の歯と同じリン酸カルシウムで出来ており、非常に硬く光沢感があります。ガラスビーズを敷き詰めたような美しさがあり、合皮で再現するのは不可能だと言われています。
エイ革の魅力
独特のデザイン
エイ革の魅力は何と言っても独特のデザイン。
一面にビーズを敷き詰めたかのような細かいデコボコ。光沢がありキラキラしています。
そして、なんといっても、スターと呼ばれる中心部の白い斑点。
これはスターと呼ばれるもので、エイが光を感知する器官。一匹につき一つしか取れない模様で、エイ革の象徴となっています。
スターは目のように見えることから、第三の目とも呼ばれ、非常に縁起が良いです。
エイ革はほかの革製品と全く異なるデザインが特徴。光沢がありデコボコした素材感も、スターと呼ばれる白い模様も、エイでしか作れない独特のデザインです。
耐久性・防汚性・耐水性抜群
歯と同じ成分ということで耐久性は抜群。普段使いで傷つくことはないです。
エイ革財布を傷をつけようと思いコンクリートで削ってもなかなか傷がつかなかったとの逸話もあります。
牛や豚革は使っているうちに傷ついていき、一度ついた傷は修復不可能。ちょっとテンション下がることもありましたが、エイ革にその心配はありません。
また、エイ革は汚れをはじく素材。泥やほこりなどで淀れることはありません。万一汚れても、濡らしたフキンでササっと拭くだけで汚れは落ちます。
傷もつかないし汚れないため、メンテナンスはいりません。
そして、エイは水の中にいる生き物。当然ながら耐水性もばっちり。
エイ革ならば雨の日も安心して使えます。バッグの中で飲み物がこぼれたときなんかも心配ありません。
牛革だと、水滴がつくと絶対にシミになり、取れませんが、エイ革なら安心です。
エイ革はずっと変わらない姿で使えます。経年変化はありません。
革製品の魅力って、エイジング(経年変化)もあると思うんですよね。
使っていくほど目に見えて色の深みが増し、よく使うところが柔らかくなってきます。できた傷も一緒に過ごした思い出……
エイ革は耐久性・防汚性・耐水性抜群。劣化することはほとんどありません。言い換えれば、経年変化もないということ。
買ったときの状態がそのまま続くので、ちょっと物足りないと思う方もいるかもしれません。
ですが、美しい状態がずっと続くとも言えますので、本当に好みの問題!
エイ革は手入れは不要!
革製品を使うにあたって、楽しみでもあり面倒でもあるのがメンテナンス。
エイ革は防汚性にも優れているため、日々お手入れする必要はありません。ちょっと汚れたら、硬く絞った布で優しく拭けば大丈夫。
革の手入れをしたいならヌメなどがおすすめです。
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エイ革まとめ
エイ革はカッコよく丈夫です。
半永久的に使えるため、同じものを大事に使いたい方にはおすすめです!
半面、エイジングは楽しめません。牛革などの経年変化をもう十分に楽しんだ方などにもおすすめです。
エイ革は取り扱っている店舗が少ないのが難点。ネットで購入してみてはいかがでしょうか。