映画ダンボはカオスすぎるし、ストーリーもくそもないけど、僕はゾウが好きだからダンボも好き。【感想】
かわいいゾウ、ダンボ。一度はキャラを見たこと、聞いたことあると思います。
2019年に実写化ということで、予習しておこうと見てみました。
内容は昔話てきな、「人をいじめたら悲しむ人がいるよ」な、ハートウォーミングな話。しかし、昔の作品だからなのか、基本的に無茶苦茶やるキャラばっかりで、とても子供に見せられないです。
今回はそんなダンボを紹介していきます。
ダンボの制作会社、公開日など
監督 ベン・シャープスティーン
脚本 ジョー・グラント/ディック・ヒューマー/ビル・ピート/オーリー・バタグリア/ジョー・リナルディ/ジョージ・スターリング/ウェッブ・スミス/オットー・イングランダー
製作 ウォルト・ディズニー
公開 アメリカ 1941年10月23日
日本 1954年3月12日
制作会社はウォルトディズニー。公開日はアメリカは1941年、日本は1954年。
1941年にはすでに第二次世界大戦が起こっており、日本とアメリカは緊張状態だったため、来日は制作されて結構後になっています。
1941年の、日本による真珠湾攻撃を題材にしたドキュメンタリー映画「1941」では、母子の家族愛を表現するシーンでダンボが流れる映像が使われたそうです。
ダンボのあらすじ
皆さん意外とダンボを見たことない方が多いと思うため、ざっくりとしたストーリーを引用します。すでに知っている方は飛ばしてください。
サーカスの象のジャンボのもとに、コウノトリが一匹の赤ちゃん象を届ける。その子象はとても可愛らしかったが、唯一耳が大きいことが他の象との違いであった。ジャンボはその子象にジャンボ・ジュニアと名づけたが、他の象達に耳のことを笑われ、ダンボとあだ名されてしまう。
それでもジャンボは愛情をたっぷり注ぎ、可愛い我が子ダンボを大切に育てた。ある日、サーカスを見に来た子供にダンボがイタズラされているのを見て、ジャンボはたまらずその子供をお仕置きする。サーカス団員がそれを止めに来るが、興奮したジャンボは思わず団長を投げ飛ばしてしまい、凶暴な象として檻に入れられてしまう。
耳が大きいだけで化け物扱いされたダンボは誰にも慰めてもらえず、生まれた直後から母親から引き離されるという苦しさの中から、悲しみのどん底に落ちる。これを放っておけなかったサーカス団員のネズミ、ティモシー(チモシーマウス)はダンボを助けるため、ダンボをサーカスのスターにすることを提案する。象のピラミッドの頂上へジャンプさせることを思いつくが失敗し、ダンボはピエロにされてしまう。
失意の中、お酒が入った水をダンボとティモシーは誤って飲んでしまい、酔っ払って踊るピンクの象の夢を見る。そして、目が覚めると二人は木の上で眠りこけていた。それがきっかけで、ティモシーはダンボが耳を翼代りにして空を飛べることに気がつき、ダンボを空から飛び立たせようとするが、木の上に住むカラスたちからも嘲笑われる。ダンボの哀れな身の上を激白してカラスの浅はかな行いに憤るティモシーの言葉に胸打たれたカラスたちは改心し「空を飛べるようになれる魔法の羽」をダンボに授けた。魔法の羽を鼻先で握り締めたダンボは、促されるまま崖から飛び降り見事大空へと飛び立つ。
そして、サーカスのピエロショーの舞台に再び立ち、無事ショーを成功させたダンボはサーカスの花形スターとなり、母親とも再会を果たしたのだった。
耳がでかいだけでいじめられるダンボ
ダンボは耳がでかいです。他のゾウと比べるとびっくりするほど。
ダンボのせいか、おかげかはわかりませんが、日本人のほとんどはゾウといえば、鼻と体と耳が大きい動物と思っていると思います。
そのせいか、耳が大きいだけで引くほどいじめられるダンボがかわいそうに感じます。
ちなみに、ゾウの耳が大きいのは体温調節のため。
基本的に動物の体温調節法は汗をかくか犬のようにはぁはあするかのどちらか。
汗をかいて対応調節をする場合、その後の水分補給が大事ですが、ゾウが住む環境では水が不足しています。
犬のようにするとしても、鼻が長すぎるため普通の呼吸法である鼻から吸って口からだすことができません。
メジャーである方法のどちらも使えないため、ゾウは耳を使います。
ゾウの耳には細い血管が張り巡らされています。ボイル・シャルルの法則より体積が小さいほど、温度変化が激しく、血管をめぐる血の温度が冷めやすくなる。そのため、耳をパタパタさせることで耳に流れた血を冷まし、冷めた血を体中に送ることで体を冷やしているわけです。
体温調節のための耳ということで、住む地域によってゾウの耳の大きさは異なります。
一般的に気温が高いところほど耳が大きいため、インド象よりもアフリカゾウのほうが耳はおおきいです。
インド象
アフリカ象
ジャンボの耳の大きさから、ダンボに出てくるゾウはインド象だと分かりますね。
実際に調べてみると、昔からアジアではゾウを飼いならし芸をさせる風潮があり、サーカスにも使われていたそうです。
現在はアフリカゾウにも芸をさせられることが分かっているため、サーカスではどちらも使われています。
そんな、耳が大きいだけでいじめられるダンボ。身体のつくり上、あったほうが便利なのに、不平不満を言われ妬まれるのは今も昔も同じ。女性の胸みたいなものでしょう。
つまり、ダンボは貧乳ババアたちが巨乳幼稚園児に嫉妬する話です。
酒を飲んで幻覚を見るダンボとティモシー
まずは映画のシーンを見てほしいです。
全部ダンボのワンシーン。
ストーリー上、結構重要な場面であるダンボとティモシーがお酒を飲み酔っぱらうシーン。この幻覚がきっかけでダンボは空を飛ぶようになります。
そんなことはどうでもいいとして、怖すぎません?
ダンボはあらすじやキャラクターを見てわかるように、勧善懲悪でダンボもかわいいし、絶対もっと多くの人に見られる映画になっているべきなんですよ。バンビやライオンキングのように、語り継がれる動物映画になるべきなんです。
語り継がれるかどうかの条件で、話の良さと映像・キャラの良さ、そして音楽の良さの3要素が映画において重要だと思うんです。そして、それ以上に大事なのが子供に見せられるか。
ダンボのカオスの濃度が濃すぎるこのシーンのせいでダンボはバンビやライオンキングに一枚、二枚以上格が落ちているというか……
映像で見ればもっと恐怖。
そして歌詞も恐怖。
まるで俺たち、虫けらみたいだ
色付きのゾウはもうたくさんだよ
奇妙キテレツなんとかしてくれ
世の中にこんなことがあるはずないよ
ほんとどうにかしてくれ
消えろ ピンクのゾウたちのパレード
サーカスのパレードを演じるゾウ達が、奇妙でバカバカしく思い辞めたいと願っている歌詞。ゾウとして扱われない苛立ちも歌っていますが……これを入れる必要があったのかは疑問です。
ダンボ制作当時、幻覚が見える薬物がアメリカで流行っていたらしく、こういう描写になったのでしょう。そして、音楽から思い浮かんだ映像をアニメーションにする手法はファンタジアからの流れ。
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映像のせいで奇妙さが増していますが、不当労働と薬物問題に触れている重要なシーンです。実際、未成年であるゾウに薬物(お酒)を飲ませているため、ディズニー的には消したい過去らしいです。
ダンボの感想 まとめ
内容はカオスだし、ちょっと怖すぎて子供に見せられない作品。
ストーリーは正直ほとんどない上、薬物幻覚のシーンで一時間の上映のうち5分とっているため最後の特急感が面白いです。
カオスすぎますが、僕はゾウが好きなので好きです。