シュガーラッシュはなんで皆忘れ去ったのか。三つの理由を分析しました。
シュガー・ラッシュ:オンラインが2018年12月に日本で放映されるということで、思い出したかのようにシュガー・ラッシュを見ました。
「確か一度見たことあるなー……あんまり覚えてないし、もう一回見るか」
そんな軽い気持ちで見ましたが、最高なんですが……
「シュガーラッシュ?あー、AKBが主題歌のやつね。」くらいの気持ちで見始めましたが、キャラクターも話も伏線も、最高。
トイ・ストーリー並みのストーリーの良さじゃないですか?
今回はそんなシュガーラッシュがどうして影が薄いのかを考えていきます。
(ほとんどネタバレありません)
シュガー・ラッシュの主題歌・監督など
監督 リッチ・ムーア
脚本 フィル・ジョンストン/ジェニファー・リー
主題歌 アウル・シティー「When Can I See You Again?」
AKB48 「Sugar Rush」
製作会社 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
日本の公開 2013年3月23日
監督はリッチ・ムーア。ザ・シンプソンズの監督でもあります。
トランプ大統領が就任したときに話題になったため知っている人も多いであろうアメリカのアニメ。全600話近くある、超長寿作です。
皮肉めいたギャグアニメで、どことなくシュガーラッシュと重なるところがあり、同じ監督というのも納得。
主題歌はAKB48の「Sugar Rush」
全世界公開当時(2012年)、AKB48の顔だった前田敦子が卒業。大島優子や渡辺麻友、そして指原莉乃の大躍進と、AKB48が世代交代を図ろうとした時期です。
2011~2012年のAKBは誰が何と言おうと国民的アイドルグループ。世界的ディズニー映画の主題歌を日本の歌手が担当すること自体すごいですし、作品の雰囲気とAKB48(というか、アキバ文化)がマッチして最高の出来と言わしめるのもすごい。
当時のAKBの凄さを感じますね。
シュガー・ラッシュはどうして影が薄い?
主題歌はAKB48。ディズニー作品。そして、ゲームを舞台にした設定というのも、日本人受けしそうなものですが、どうしてこんなにも影が薄いのでしょうか。
AKB、ゲームという絞り過ぎた戦略が裏目に出た
アーケードゲームの中身が舞台ということで、普段ディズニー系を見ない層をがっつり取り込もうとしたのが原因の一つでしょう。
ゲーマー層とディズニー映画を見る層はかぶってるとは思えませんし、もっと言うならば映画館に足を運ぶ層にゲーマーは何人いるのかという話。
もちろん、一度でも映画を見れば、丁寧に設定が説明されますし、登場するキャラクターを知らなくても楽しめます。
もちろん、ザンギエフやクッパ、パックマンなど、知っているキャラが多いほどテンションが上がりますし、予告でも出てきていたため、狙ってるんでしょう。
また、AKB48を主題歌に起用することで、AKBファンも取り込もうと思ったのは確実。
これも同じく、AKBファンがどれだけ映画興味があるのか。というか、AKBファンはCDを買うから映画を見るお金が惜しいのでは?
映画を見るか見ないかを選ぶ基準って、いろいろあると思うんです。
「この会社だから!」「このアニメ・ドラマが好きだったから!」「この俳優・声優が出てるから!」「予告が面白そうだったから!」など。
どれも納得できる理由ですね。私がリメンバーミーをはじめ、その他映画を見る理由はディズニーだから。
反対になんとなく見ない理由もあるはずで、その一つが「○○と一緒にされたくないから嫌」。
本を読むにも、バッグを買うにも、「○○さん(そんなに好きじゃない人)が使ってたよ!」といわれればちょっと躊躇いますよね。
シュガーラッシュにおいては「オタクと一緒にされたくないから嫌」が成り立つでしょう。
今でこそラブライブ・けいおん!……はちょっと前ですが、けもフレや君の名は。などでアニメについての抵抗がついた人が多いですが、2013年当時はまだまだ。
AKBも、一部の人がすごく好きでその他は冷えた目で見る。そんな光景がよく見られましたね。
AKBには特に「アンチ」と呼ばれる人がいました。これまでの理屈でいうと、映画を見る層とAKBアンチの層は違うのではとなるかもしれませんが、アンチはとにかく声がでかい。見てもないのに「シュガーラッシュはくそ!」とツイッターなんかで呟こうものならば、ステマになる反面、痛烈な悪いイメージを植え付けていきます。
- 舞台がゲーム
- アイドルが主題歌
この二つが原因で、これまでのディズニー映画の特徴だった誰が見てもある程度楽しめる作品という基盤が崩れ、見に行く人はある程度覚悟が必要になりました。
ディズニーらしくない話で思い出されにくい
シュガーラッシュは非ディズニー色の強い話。
ディズニー色ってなんだよってなるかもしれませんが、
- プリンセスと王子の恋愛
- 超凶悪な敵に仲間とともに立ち向かう
- キャラクターの成長
- 勧善懲悪
とかがあると思うんです。
特に、ディズニーファンはプリンセスと王子の恋愛劇が大好き。
ディズニーが好きな人のほとんどが女子だと思いますから納得ですね。
もちろん、カーズもトイストーリーもズートピアもプリンセスではありませんが、カーズやトイストーリーは「ピクサー」だし、ズートピアは由緒正しい動物話だし、カテゴリーわけが容易なんです。
プリンセスだから成功するとか、面白いはずだとか評価が高いとかそういう話じゃなくて、カテゴリーのしやすさの問題。
モアナなんてプリンセスだけどアレです。
カテゴリー別にしてあると、ついで見が成立しやすいです。
「アナ雪見たついでにラプンツェル見よう」とか、「トイストーリー見たからモンスターズインク見よう」とか、最近だと、「ツムツムに出てるからこれも見てみよう」とか。
シュガーラッシュはそこが弱い!ディズニーにゲームに限らずサブカルチャーに重きを置いた作品がこれまでなかった。だから「○○に似ている」が発生せず、宙に浮いている状態になってるんです。
ツムツムに出てないのもちょっと深刻で、ファイアーボールやファンタジアなど、あまり知らない作品でもツムツムの新規ツムで出たら、TSUTAYAとかGEOからそのDVDがなくなっていましたからね。全部借りられていましたから。
公開から5年以上たった今、シュガーラッシュを覚えている人が少ないのは忘れているからです。
話がしっかり。伏線がすごすぎて人に話せないから
本当にストーリーがすごすぎる。トイストーリー並みです。
トイストーリーは公開から20年以上たっているというのもあり、正直ネタバレとか関係ないレベルで有名ですが、シュガーラッシュはそうはいかない。
そもそも、トイストーリーとシュガーラッシュの話の上手さの方向が違います。
トイストーリーは記事でも書いた通り、きれいに収まったストーリー。いわばバクマン。など、恋愛系っぽいストーリーのつくり方だと思うんです。トイストーリーは恋愛系じゃないですが。
対して、シュガーラッシュはミステリー小説に近い伏線の上手さ。
恋愛系の話だと別にネタバレされてもそこまで痛くないじゃないですか。それはあくまで過程込みで楽しんでるから。
反対にミステリー小説は、クライマックスのネタバレされたら見る気失せますよね。
シュガーラッシュはめちゃくちゃ上手く話しができていて、二回・三回見て納得できる話。一度でもシュガーラッシュを見た人はそれを知ってる。だから絶対にネタバレをすることがないんです。
その結果、あまり話題にならない。
そして、すっきりし過ぎて心にかからず思い出から消滅するパターンです。
シュガーラッシュをとりあえず見てくれ。本当におもしろいから。
思い出す機会に乏しいシュガーラッシュ。せっかく続編が出るんです。
少しでも気になった方は一度みてくださいよ。
シュガーラッシュ:オンラインは前作までと変わりオンラインに。ゲーセンの中だけで閉じられた世界だった舞台がインターネットにつながります。
前作を超える勢いでとびぬけてほしいものです。
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